WORDs from North Dakota

2009年1月7日水曜日

"イイ人"を前面に押し出して・・・

クリスマス前には両親が、クリスマス後から元旦にかけて姉&お連れさんがファーゴに来てくれました。
で、ファーゴについて説明したんやけどさ、この州って観光できるトコが衝撃的に少ない。あっても5時間とかドライブしなあかんし、この雪まみれのハイウェイはあまり快適なドライブじゃないし。そこで、いつも言ってしまう事がある。"この地域は人がいいんだよ!"・・・・・・って、人がいいってなんやねん?と。

5年ほど前に8時間ドライブして友達の家に遊びに行ったことがある。途中携帯は通じない上に四方に広がる畑&家畜の群れを横目に本当にこの一本道で合ってるのかどうか心配になりつつも地図を片手にドライブ・・・そしてドライビング。ついに目的の町が見えてきたところで、フレッシュな気分になるため、路肩に車を止めて小便をする事に。もちろん前後に車は見えず、数キロはなれたところに数軒の家が散々と見えるのみ。日本のようにコンビニとか道の駅など存在するはずもない片田舎。路肩でジョロー、ジョロローとやってたわけです。離れたところで砂埃を舞い上げながら猛スピードで未舗装道路を走行するトラックを見ながら、"田舎なトコまでやってきちまったナー"なんて思ってたわけです。プルンプルンと最後の一滴を振り絞って車に乗り込み、地図を再度確認していると・・・・・なんとさっきの猛スピードで突っ走ってたトラックが僕の車の後ろに停車してるではアーリマセンカッ!中年白人男性が近寄ってきたので、もしかしたら立小便を見られたと思い"やベー"とか思ってると、一言"大丈夫か?どうしたんや?"と。どうやら路肩に車を止めたことが車の故障と思ったらしい。

なんて"いい人"なんやっ!見ず知らずの僕の為にあんな猛スピードで来てくれたのか!?

さらに友達の家への行き方、そして家の壁の色まで詳しく教えてくれた。

"いい人"過ぎじゃないのか!?


大雪になったとき、いくら雪に慣れてる人といっても車が雪で動かなくなってしまう事がある。僕も含めて、この町でスタッドレスタイヤとか履いてる人なんてぜったいおらんし、いくら運転が上手くても脱出できない事がある。そんな時にも"いい人"達が大活躍。見ず知らずの人が雪かきシャベルをもって一人、また一人と・・・助けに来てくれるのだ。車をワザワザ路肩に止めて、シャベルをトランクから出して、時には同乗者も降りてきてくれる。なんて"いい人"達なんだ!?

でもファーゴに7年もいれば、それが"いい人"かどうかちょっと疑問に思えてきた。一応、日本人には便宜上"いい人"ってことで説明しているんだけど、本当に"いい人"なのか?

そもそも、それが"いい事"をしているなんて思ってその行為に及ぶのではないんじゃないかと。"困っている人を手伝う"・・・そこに疑問はないんじゃないかと。手を洗うように、ご飯を食べるように、日常生活の中で当然の行いなのかとも思える。僕も急いでない限りは困ってる人を手伝うようにしている。この冬にも数度、見ず知らずの人の車を雪にまみれて押したことがある。が、僕にはどうしても自分自身が偽善者に思えて仕方ない。感謝してもらいたいとは思わない。何か俺が欲しいわけでも決してない。自分が"いい事"をしてる"いい人"やと思いたいから?そんな疑問が常にあるけど、放っておけない。あぁ、きっとお節介焼きなんだな。。。。


しかし、最初に書いたストーリーに於いて、猛スピードですっ飛んできたおっちゃんが僕に教えてくれたモノは"1(僕)+1(おっちゃん)=2"じゃないんだよ。2以上の価値があり、算数的物理上(意味わかりにくい、っていうかよく説明できひんけど)計算できない"心理"の足し算なわけ。もちろん毛利氏の三本の矢のストーリーにあるように、人が集まればそれだけで良い(三矢の教えはもっと深く解釈できるけど、面倒なので省略)場合も多くあるわけだけれど、人生に於いては精神的あるいは心理的には算数的に足し算が通用しないことも多く見られる。1+1=1の時もあれば1+1=2の時もある。1+1=3の時だってあるし、1+1=0の時もまた然り。言葉のかけ方一つでもまた変わりえる。困ってる人を手伝う行為はそんな微妙な心理算数の産物なのかもしれない。


いい人たちが本当にいい人かどうかなんてわからないけど、きっとこれから先もファーゴ(ノースダコタ)を紹介する際に"いい人たち多いよー"って言うだろう。それが僕がノースダコタに7年も居ついてる理由の一つやから。。。


そういえば、昔々の話だけれど、就職活動中に自己アピールで"イイ人"を前面に押し出した事がある。最終面接前に落ちてしまったけれど、6次面接まで行けてしまったことに今でも驚く。。。。"僕いい人です!"作戦。。。でも、社会はそれだけじゃ・・・・ダメなんですよね。。。。ふぅ。。。。

1 件のコメント:

  • 2009年1月7日 18:31 に投稿, Blogger Chompoo さんは書きました...

    発展した社会の中では、当たり前のこととして”イイ事”をすることに対し、構えてしまうんでしょうかね。
    渡米初日に出会ったドイツ人のおっちゃんに対しても、最初「ほんまにそこまでしてくれるのか?」って怯んでしまった。

     

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